毎年、瑞穂市内3中学(穂積・穂積北・巣南)すべてで実施してきました。
     年間20回〜25回ほどです。 この活動は、乳幼児親子の皆さんの協力で実現しています。
     
     この授業は、当団体と中学校が協力して取り組み、2005年に始まりました。
     開始から15年間で中学生が託児した乳幼児はのべ10,000人を越えました。

     2020年度は、コロナ感染拡大のため、残念ながら保育体験授業はできませんでした。
     2021年度、穂積中学校で再開できました。

     2023年度3つの中学で再開します。  詳細はこちら


中学との協働事業が、どのようにに実現にいたったか・・・
2005年度実施 「中学生の乳幼児ふれあい体験事業」
から・・・

【実施までの経緯】
 私たちは、2003年度から夏休みを利用して「10代の子育てボランティア体験」を実施していた。
 2003年は30人の参加者のうち男子が4人いたが、2004年度は男子の参加者がなかった。
 また、乳幼児に触れたことがないという子よりも、小さい子が好きで身近にもいるというような
 中高生の参加が多かった。

 子育ては将来 おそらくだれもが経験していくこと。
 男子にはもちろん、全員の若者に経験してほしいと考えて、巣南中学校に「授業の中で取り組みたい。」
 と提案した。校長先生が大切なことだと理解してくださったので、次は 市の子育て推進課に市の事業として
 予算化してもらえないか交渉にでかけた。
 
 何にお金が必要なのか?
 夏休みに行っている子育て体験は、こっこクラブの託児を利用しているので、
 予算的には自分たちの事業予算内でできていたが、
 中学生の体験を目的に子どもさんを預けてもらうのに 託児料をいただくことはできない。
 中学生だけでは託児は無理なので、アシストマザーさんたちの協力は絶対必要。
 アシストマザーさんの謝金のでどころがない と考えたからです。

 市でも次世代育成の大切な視点だということを理解していただけて、
 巣南中学校 2年生の4クラスが年間に2回ずつふれあい体験を実施できるだけの
 予算を組んでいただけた。

 ここまでは 2004年度の秋に段取りをした。

 2005年度が始まる頃、中学校のどの教科で行うか(家庭科か総合か)を学校と相談して、
 家庭科の先生とも相談して、家庭科の保育で取り組むことに決めた。

 巣南中学校では2年生の家庭科は前期・後期にわかれて、技術と家庭科のクラスが
 入れ替わるやり方をしている。
 そこで、前期の2クラスは7月と9月に、後期の2クラスは12月と1月に実施することにした。

【7月の実施に向けての準備】

 家庭科の授業の進度を考えて、7月5日(火)と7月8日(金)に1回目を行うことを決定。

 こっこクラブ参加者やキッズパーク利用者に お願いのチラシを配布し、
 参加してくれる乳幼児を募集した。
 体験の1週前の授業に間に合うように 参加者を確定して グループ分けをした。
 中学校は5人グループが7班あるということで、1グループに乳幼児3人を担当してもらうように分けた。
 その3人も0才・1才・2才というように異年齢の子で、男女も混じるように考えた。
 1週間前の授業で 自分は誰を担当するかをグループで決めておいた。

 また、保育の授業はそれなりに進めていただいていたが、実施にあたり、
 心配なことも多いということで、事前にこっこクラブの託児の様子を撮影したビデオを使い、
 マザーさんたちがどんな風に託児をしているかを 観察し、
 自分はどんな風に小さい子に関わろうかと 考える授業もやっていただいた。

 9月の2回目の前には、1回目の経験を生かして、
 「子どもたちともっと楽しく遊ぶためにはどうしたらいいか。」
 などについて授業を進め、自分なりに考えていろんなおもちゃも持ってきて 託児に臨んだ。

【当日の様子】
 


  

 授業は3・4時間目。

 10時半頃、お母さんが小さい子を連れて 会場にやってきます。
 お母さんから子どもさんの体調や気をつけることなどを聞いて、担当の子のカルテに記入します。
 
 お母さんとはなれて 大泣きする子もたくさんいて、中学生もはじめはおろおろしていました。
 泣いて大変な子は おんぶ紐でおんぶしたり、スリングでだっこしたり、
 マザーさんも一緒に外に散歩に行って気を紛らせたり、いろいろ工夫していました。

 マザーさんは1グループに1人ついてもらって、抱っこの仕方やおんぶの仕方など
 手取り足取り教えていました。でも、泣いていてもできるだけ中学生に任せて、
 だんだん落ち着いて、遊んだり笑ったり、寝てしまったり そこまでがんばって到達できるように
 見守るようにしてもらいました。(あんまり大変な子はそれなりにちゃんとフォローも)

 1時間半の託児を終えて、お母さんが迎えにくると、みんなうれしそうにお母さんのところに
 帰っていきました。
 中には、中学生の子と楽しそうに遊んでいる我が子をドアの隙間から見て、
 うれしそうにしているお母さんもみえました。
 お母さんたちから、「ご苦労様。大変だったでしょ?」「ありがとうね」 などと声をかけられて、
 照れている中学生たちでした。
 
 カルテに担当の子の様子を記入して託児終了です。

 実施した場所は、第1回の2回分は巣南公民館多目的ホール
            第2回の2回分は巣南中学校柔剣道場    でした。
   (上の写真は柔剣道場のときのものです)

 【2回の体験を終えて】
 
 2回の体験後の授業では、自分史(生まれてからの自分の成長を振り返る)と
 体験の感想・これからの自分について新聞にまとめられました。

 先生にその新聞を見せていただいて、感想のすごさにおどろいた。

 「今までの自分をふりかえったり、ふれあい体験を通して、親がここまで一生懸命育ててくれたということが
 よくわかりました。親のためにもがんばって健康に生きていきたいと思いました。」
 「私は1時間ちょっと抱っこしていただけで、次の日腕が筋肉痛になった。でも親は毎日それを
  やってたんだと思うとお母さんはすごいと思ったし、本当に感謝しなくちゃと思った。」
 「小さい子に話し掛けるときは自然にやさしい言葉で話し掛けていた。ふだんの自分は乱暴に
  しゃべっていたなあと思った。」
 「お母さんは子どもが好きで、子どもはお母さんが好きなんだということがわかった。」
 「小さい子が楽しそうにしているといい気持ちになるし、かわいいと思えます。僕は、ふれあい体験で
  小さい子が好きになりました。このふれあい体験をやってとてもよかったです。」
 
 自分の成長を振り返るということも とてもよかったようで、
 育てられてきた自分というものと、育てる側になっていく自分を
 交錯させながら、これからの自分について 考えた言葉がたくさんあって
 ほんとうに感激しました。

 実施する前 担任の先生などは、
 「ほんとうに大丈夫かな。乱暴に扱って怪我とかさせるようなことはないだろうか。」
 と本当に心配してみえましたが、
 命の重さ・温かさを感じているのか、乳幼児のもつパワーだと思うのですが、
 中学生の子達が本当に優しく、穏やかな表情で小さい子に接しているのです。

 自分の子どもがまだ中学生になっていないマザーさんたちは、それまで、
 中学生をもっと怖い存在と思っていたようですが、いっしょにこの体験をすることで、
 中学生の本当のいいところ、やさしい部分が見えて
 「中学生ってかわいいよね。」というように認識が変化したようです。
 地域のおばさんたちとこんな風に顔見知りになれることも こういう活動の魅力です。
 
 「命を大切に」「相手の気持ちを思いやれ」「乱暴な言葉遣いはいけない」
 などと100回話を聞くよりも 1回体験することの価値を感じました。






































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